食べても太らない秘密

食べても太らない秘密

お腹が空いて目が覚める。
もりもりと食べて脳とカラダにエンジンをかけて、家を出る。
一生懸命仕事をしたら、またまたお腹が空いたのでがっつりランチ。
夜は自炊であっさり和食。
腹八分目で満足満足。

 

こうした食欲の調節機能に自律神経は大きな影響を及ぼしている。
というか、自律神経の中枢そのものに食欲中枢が備わっているのだ。
脳の視床下部にある交感神経の中枢に満腹感を感じる満腹中枢があり、副交感神経の中枢にはお腹が空いたと感じる摂食中枢がある。

 

では、過不足のない食事コントロールができていて、いっこうに太る気配がない人の場合、そのメカニズムがどうなっているのか。
それを見ていこう。

 

食べ物を食べる。
いわゆる体脂肪である白色脂肪細胞に脂肪がたまる。
すると白色脂肪細胞からレプチンというホルモンが分泌され、満腹中枢に「もう食べなくてもいいんじゃない?」という信号を送る。
満腹中枢は交感神経の中枢でもあるから、このことによって自動的に交感神経にスイッチが入る。

 

で、ここからが食べても太らない秘密。
交感神経が活性化すると、まず副交感神経系の摂食中枢が抑制され、「食べたい」という意欲が低下する。
同時に交感神経の中枢からアドレナリンが分泌される。
このアドレナリンを白色脂肪細胞の表面にあるレセプター(β-3アドレナリン受容体)が受け取ると、脂肪を分解する酵素が働き、脂肪分解が促される。

 

また一方で、アドレナリンは熱を発生させる褐色脂肪細胞に働きかけて、UCP1というタンパク質の作用によって熱産生を行う。
ちなみに、この褐色脂肪細胞はわきの下や肩甲骨周辺にある脂肪組織のことで、寒い環境で体温維持の為に必要な熱を発生させるときなどに作動する。
これが、太らないカラダのメカニズム。

 

ところが自律神経の活動が低下している人は、こうした摂食中枢の抑制や脂肪分解、脂肪燃焼という一連の流れがうまく回っていかない。
問題は、レプチンの信号に対する反応性が鈍いことにある。

 

レプチンの信号は確かに脳に届いているのに、交感神経の機能レベルが低いため、信号に気が付かない。
「もう食べなくてもいいんじゃない!?」と呼べど叫べど、耳垢が溜まり過ぎていて聞こえていないとう状況に陥っているのだ。

 

しかも、まずいことにβ-3アドレナリン受容体の遺伝子に変異が見られるのは、アジア人の4人に1人。
これに該当する人は、交感神経から信号が出されても脂肪分解や燃焼が起こりにくく、変異のない人に比べると1日最大300キロカロリー分、代謝が低いといわれている。

 

ただでさえ、遺伝的にエネルギー代謝がされにくい場合、交感神経の働きが悪ければますます太りやすい状態になってしまう。
これは、かなりヤバい話。

 

それなら、食事量をその分減らせばいいんでしょ。
マイナス300キロカロリーだったら、ごはん1杯半くらい?
なーんだ、朝食を抜かしてもいいし、炭水化物ダイエットすれば軽くクリアできるじゃん。

 

いいや、これが大きな間違い。
朝食抜きは朝にしっかりスイッチを入れたい交感神経の働きを鈍らせる。
低血糖に陥る為、昼のドカ食いを招きやすい。
また、根強く信仰されている炭水化物抜きのダイエットは実は最もやってはならない食事法なのである。